抄録
種々の術後合併症のため緊急手術で一時的回腸瘻造設を施行した患者のストーマ管理の問題点について検討した。
マーキングとinformed consentを行った症例ではストーマ位置の問題やトラブルが少なく, 自立も速やかであった。スキントラブルの背景要因にはストーマの変形と創部からの多量な浸出液が考えられた。その管理に対して術後早期にはサージドレーンオープントップ®が有効であった。
以上のように回腸瘻造設患者の術前,術後の管理には可能な限り術前にinformed consentとストーマサイトマーキングを行うことが望ましく,症例の状態にあわせた装具の工夫が必要であると考えられた。