抄録
千葉県南房総地域における約20症例の患者を対象として,9症例の分析を行った。それらの症例は,術前から死に至るまでのあらゆる時期に,局所のケアから,地域の閉鎖的特性からくる精神面にまでの多岐にわたる問題をかかえていた。我々は,病院内に留まらず地域においても相談所を開設し,さらに訪問指導も積極的に行うことにより,個々の悩みに対応できるよう試みた。その結果,9症例の内の8例の患者は,個々のかかえている悩みと不安を取り除かれ,生きる喜びを感じて生活できるようになった。このことから,オストメイトは,身体的精神的社会的問題が解決され,適切な援助の機会が得られれば,より高いQOLが期待できると考えられる。