抄録
聖路加国際病院では1965年以来,洗腸法の適応を選択して,人工肛門造設術を受けた患者に対して洗腸法による排便のコントロールを指導している。今日,術後8年~20年間と長期間洗腸をしている患者に対し「社会生活における洗腸法の長所・短所」につきアンケート調査を行い,14例の回答を得た。その結果,40~50分の洗腸所要時間で78%の患者が漏便などなく,うまくコントロールされていた。これに伴い手術前と変わらず仕事をしている者が多く,ほとんどの者が「社会生活に自信をもって過ごしている」と答えていた。また長期間の洗腸による合併症は全くみられなかった。洗腸法は人工肛門造設後の排便コントロールのひとつの優れた手段と思われる。