抄録
ストーマ周囲皮膚障害の成立機序は,生理的皮膚機能とスキンケアに対する管理とそれにOrgan-Organ Relationshipのもとでのデルマドロームの三大要素として把握する必要がある。したがってストーマ周囲皮膚炎が発生してもストーマ管理用品,特に皮膚保護剤を正しく用いることにより驚くほど早く回復するのは,それが原因的治療になっているからであろう。
皮膚の生理機能,特にpHに代表される中和能や,最近繁殖阻止能などがいかに大切なものであり,皮膚保護剤がいかにこれらを補強するのに役立っているかを解説した。カラヤゴムを中心に皮膚保護剤の作用についての実験データを基にどのような役割を担っているかを理解していただきたい。