抄録
ストーマ造設患者の術後のquality of lifeを決定するものは,簡単にできるセルフケアと合併症のないストーマである。このためには術前に適切なストーマサイトマーキングを行って,管理しやすい部位にストーマを造設することが大切である。緊急手術でも必ずマーキングを行う。
ストーマサイトマーキングは至適なただ1点を求めるものではない。術前に十分な病態の把握を行い,ストーマサイトの移動許容範囲や口側での次善のストーマ造設部位をマーキングして手術に臨む。手術中もストーマ造設を念頭において腸管の切断を行い,緊張なく引き出した腸管で管理しやすい翻転型のストーマ造設に努力すべきである。