日本ストーマリハビリテーション研究会誌
Online ISSN : 2759-7458
Print ISSN : 0912-0408
原著
肥満例のコロストミー
島田 寛治赤井 貞彦
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1988 年 4 巻 1 号 p. 15-17

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抄録
 肥満例や腹壁の弛緩した女性では,術前にストーマサイトマキングを行ったにもかかわらず,臥位では良いストーマでも,坐位でケアするようになると,腹壁の皮膚や皮下脂肪が垂れ下がり,ストーマヘの覆いかぶさりを生じ,セルフケアの困難になる例を見ることがある。
 これは,肥満例では坐位になると腹壁の下垂,突出,皮下脂肪の厚みの増大が高度となるが,ストーマの部位では腸管の皮下の長さが変化しないため,相対的に陥凹し,ひきつれ,頭側の皮膚や皮下脂肪がストーマに覆いかぶさるためである。
 この対策として,術前のストーマサイトマーキングをより一層慎重に行い,ストーマ造設時,立位での腹壁の変化を考慮して,腸管にゆとりを持たせるとか,ストーマの部位を通常より頭側,臍の高さかその少し下くらいにする方が良い。
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