抄録
昆虫類を用いた有用物質の生産を目的とし、カイコ幼虫を利用した有用蛋白質生産の研究を行っているが,幼虫体内で増殖された蛋白質を含む体液を効率的に採取することが重要である。本研究では,カイコ幼虫体液の大量自動抽出システムの構築を目的に,凍結融解法を応用した体液採取の連続自動化を図るため,幼虫の凍結システムを開発した。連続凍結装置は低温水槽とコンベア装置等から構成し,幼虫を直棒状に凍結させるための冷却水温、移動速度等について検討を行なった。水槽容量は1150×300×230mm,ベルト長1250mm,水中部の長さ700mmである。ベルト速度は,0.5mm/sから3.3mm/sで,幼虫の水中滞留時間を3分30秒から23分20秒まで調整可能である。冷却系は2台の冷凍機により水温を-20℃まで冷却できた。カイコ幼虫の凍結について,-10℃の水中に投入したものは湾曲した状態で凍結した。常温水中に5分放置した後,-10℃の水中に投入した幼虫は,数分で直棒状に凍結した。以上の結果,本装置によりカイコ幼虫の連続自動凍結の可能性を得た。