日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集
日本蚕糸学会第73回学術講演会
セッションID: 325
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BAC-FISHによるカイコ染色体識別
*吉戸 敦生浅野 眞一郎伴戸 久徳安河内 祐二佐原 健
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抄録

カイコにおいて構築されたBAC(bacterial artificial chromosome)をプローブとしたFISH(Fluorescence in situ hybridization)を卵母細胞パキテン期染色体に対して行い(BAC-FISH)、28染色体対を個別に認識することに成功した。BACは第26染色体由来のクローンを除き各染色体2__から__4個をプローブとして用いた。本研究で用いたBACクローンはRAPD地図(Yasukochi, 1998)に統合されており、地図において、同一染色体由来のBACプローブは、1つの染色体上に強いハイブリダイゼーションシグナルをもたらした。DAPI染色において特徴を有する3つの染色体のうち、性染色体対(WZ)はWのヘテロクロマチンより認識された。また、NOR染色体は第11染色体、HCB(hetero chromatin block)を有する常染色体はO染色体であることが判明した。さらに、複数染色体を認識できるプローブを組み合わせたBAC-FISHでも、個別認識ができ、カイコ染色体の一括識別への道が拓かれた。

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© 2003 社団法人 日本蚕糸学会
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