表面科学
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走査トンネル顕微鏡の雑音と測定限界
宮尾 正大
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1993 年 14 巻 1 号 p. 24-32

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抄録

 STM装置は装置の発生する雑音によって測定値がゆらぎ, これにより装置の測定限界は決定される。本論文では具体的な回路を想定し, この回路が発生する残留雑音により決定される測定限界が具体的に決定されることを示した。さらに, トンネル電流自身がもつ雑音が, この測定結果にどのように影響するかを調べた。そして, この結果より STM 装置を用いるときに, 最適な測定条件が, 測定時間, トンネル電流, トンネルバイアス電圧によりどのように変化するかを示した。その結果によると, STM データの雑音による測定限界は測定時間には依存しない。また, トンネル電流には, 測定時間より決まる最適な値があることが判明した。

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© 社団法人 日本表面科学会
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