表面科学
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14 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 森川 良忠, 井上 耕一郎, 寺倉 清之
    1993 年 14 巻 1 号 p. 2-9
    発行日: 1993/01/31
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    固体表面では原子配列の自由度が大きいため, 研究の基礎となる構造さえ求めるのが困難である場合が多い。第一原理分子動力学法の発展によって, 固体表面のように自由度が大きい系の構造や電子状態を第一原理から求めることが可能になった。この方法で得た結果は実験と良い精度で対応させることができ, さまざまな実験結果を解釈する際の有用な情報を提供する。第一原理分子動力学法の威力が発揮された例として, 最近われわれのグループで行った Si(001) 清浄表面およびアルカリ金属吸着表面の研究について紹介する。清浄表面については, 二つのバックリングの自由度をもつ非対称ダィマーをイジングスピンと見なして, スピン間の有効相互作用の大きさを第一原理分子動力学法を用いて求め, 有限温度でのスピン配列のモンテカルロシミュレーションを行った。アルカリ金属吸着表面については, 吸着エネルギー, バンド構造, STM像などについて解析を行った。
  • 大野 隆央
    1993 年 14 巻 1 号 p. 10-16
    発行日: 1993/01/31
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    局所密度汎関数法に基づく ab initio な電子状態計算の進歩により, 半導体表面と吸着子の相互作用や反応素過程を調べることが可能となってきた。化学反応性の高いハロゲン原子を用いるドライエッチングは重要な半導体加工プロセス技術であるが, その反応素過程は十分には解明されていない。本稿では, ハロゲン原子の半導体表面への吸着過程, 表面再構成の変化,表面バック・ボンドへの影響, 表面近傍での反応過程などを理論的に調べ, 半導体のエッチング機構を議論する。
  • 入沢 寿美
    1993 年 14 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 1993/01/31
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    MBE成長のような下地温度が十分低温で, 付着してきた原子の表面からの再離脱が無視できるような極端な結晶成長条件下で, 結晶表面が多層化されずに層状成長できる理由およびその条件が理論的に示されている。結合エネルギーが等方的な場合のモンテカルロ・シミュレーションが行われ, 理論で予想された成長条件とシミュレーション結果には良い一致が見出され, 成長様式は表面拡散係数Ds と原子フラックスJから得られる特徴的長さλc=(Ds/J)1/4で整理できていることが示される。さらに, シミュレーションは結合ならびに表面拡散が非等方的な場合に拡張され, その場合の結果として, 表面にできる異方的形状をもったクラスターの成因は表面拡散の異方性ではなく, 結合の異方性からくるものであることが示される。微斜面成長の特徴についても調べられ, RHEED強度の消失する条件なども得られている。
  • 宮尾 正大
    1993 年 14 巻 1 号 p. 24-32
    発行日: 1993/01/31
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
     STM装置は装置の発生する雑音によって測定値がゆらぎ, これにより装置の測定限界は決定される。本論文では具体的な回路を想定し, この回路が発生する残留雑音により決定される測定限界が具体的に決定されることを示した。さらに, トンネル電流自身がもつ雑音が, この測定結果にどのように影響するかを調べた。そして, この結果より STM 装置を用いるときに, 最適な測定条件が, 測定時間, トンネル電流, トンネルバイアス電圧によりどのように変化するかを示した。その結果によると, STM データの雑音による測定限界は測定時間には依存しない。また, トンネル電流には, 測定時間より決まる最適な値があることが判明した。
  • 須藤 彰三
    1993 年 14 巻 1 号 p. 33-40
    発行日: 1993/01/31
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    最近,高分解能電子エネルギー損失分光器を用いて,金属の表面プラズモン,マルチポールプラズモンのエネルギーおよびその分散が,精度良く測定されるようになった。その結果,古典電磁気学を超えた,量子力学的描像による解析が可能になってきた。本稿では,アルカリ金属と銀単結晶での測定を例にとって,誘電応答に関与する金属表面の電子状態について解説する。
  • 水野 清義, 栃原 浩, 川村 隆明
    1993 年 14 巻 1 号 p. 41-47
    発行日: 1993/01/31
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    LEED I(V) curves have been measured on Cu (001) under existence of sample tilt and residual weak magnetic field. It is demonstrated that “horizontal-beam method” can reduce the effect of beam misalignment. The validity of this method is discussed and the data obtained by using this method is shown.
  • 渡辺 一之
    1993 年 14 巻 1 号 p. 48-52
    発行日: 1993/01/31
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    固体表面の精密な組成分析や構造分析,またその電子状態の解析のための実験法にはしばしば外部静電界が用いられる。原子スケール制御といった最近の新技術においても電界は欠かせない。では,その原子スケール,すなわちオングストロームの表面世界で電界はどのような役割を担うのであろうか? 従来の経験的手法にたよらず,第一原理電子論の方法を用いて電界効果の解析を試みた。固体表面に強電界(~1 V/A)が印加された場合に表面電荷分布,原子配置がどのような変更を受けるかを探るために,重要な物質面であるSi(100)表面を調べた。表面緩和の特徴は,電界の方向により異なり,電荷分布の変形は表面で突出した原子近傍で顕著である。表面原子が電界蒸発する際の原子位置と電界強度の関係を求め,蒸発機構の予測を行った。
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