抄録
平成19年4月にスタートした特別支援教育は,一人一人のニーズという視点や,教育,福祉,労働等,関係機関との密接な連携を重要視している.本研究では,特別支援教育におけるニーズという概念の意味するもの及び特別支援学校の福祉的支援機能の位置付けを3つの資料をもとに検証した.ニーズの概念は,サラマンカ宣言の「特別な教育的ニーズ」とは異なり,非常に曖昧な概念として使用されていることを指摘した.また,特別支援学校における福祉的支援機能として,個別の教育支援計画,特別支援教育コーディネーター,特別支援教育のセンター的機能をあげた.いずれも有効に機能すれば,児童生徒の生活問題に対して組織的に対応できうる可能性があるものの,福祉,医療,労働等の関係機関との協働の在り方が課題となることを指摘した.