学校ソーシャルワーク研究
Online ISSN : 2758-5018
Print ISSN : 1881-9788
論文
義護型不登校経験者の社会的自立に関する研究
―経済的不利の世代間連鎖から離れていくための道筋―
西原 尚之
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2010 年 5 巻 p. 15-29

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抄録
本研究は経済的不利と脆弱な養育環境が主要因となって学校教育から疎外されてきた「養護型不登校」経験者が経済的に自立した生活を送るための道筋を明らかにしようとするものである.そのため生活保護率が全国平均の10倍を超える地域にあるフリースクールを利用していた69人に対してフォローアップ調査を実施した.このうち58%が生活保護受給家庭からフリースクールに通級していた.「生活保護受給」と「一人親家庭」および「低学力」には互いに有意な相関性が認められた.また生活保護受給の子どもの50%は中学卒業時点で進学先も就職先も確定させていなかった.さらに彼らの学歴は中学卒業までが79%と経済的に自立していくうえでの困難性が予測された.つぎに中学卒業後に生活保護受給を続けているグループと経済的に自立したグループの違いを事例を用いて検討した.その結果「生活技能」「学力」「ソーシャルサポート」「社会福祉サービスの利用」などが経済的不利の連鎖から離れていくための要因と考えられた.
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© 2010 日本学校ソーシャルワーク学会
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