抄録
本研究では,英国の人格・社会性・健康教育(PSHE)の内容と方法を明らかにし,行動上の困難を示す子どもに対する教育的アプローチの特徴について検討することを目的とした.その結果,PSHEはロールプレイなどを通して能動的に学び,自己理解,自己意識,自己肯定感を総合的に発達させていくことを目的とした教育プログラムであった.PSHEの実践では,行動上の困難を示す子どもを個別的・単発的に指導するのではなく,ホールスクールアプローチの中で,カリキュラム全体を通じて個人と社会の関係を意識させ,行動の自己調整をする方法を学ぶことが重要であると考えられた.また,行動上の困難を伴う子どもを通常学校内部で教育するためには,親や地域を巻き込んで段階的に「学校改善」を実現することが重要であると考えられた.