3年位前には,かなり差が縮まってきて,この分ではやがて大差がなくなるのではと思われたアメリカの大学と日本の大学における計算機科学の研究環境および計算機に係わる教育環境が,ここへ来て,圧倒的な差がでてきたように思える.このことは,施設・設備面,資金面の双方についていえそうである. たとえば,資金面ではSystem Development Corporationが,税金対策もあろうが,5億ドルを基金として,計算機科学,特に人工知能の先進的な研究を援助し始めており,スタンフォード大学には,この基金からの援助によって,人工知能の研究を主目的とするセンターCSLI (Center for the Study of Language and Information)が設立されたし,個人的には,マサチューセッツ工科大学のCarl Hewitt教授などは500万ドルもの研究資金を受けている. この他にも計算機メーカーと大学との間で巨額の委託研究契約がいくつも結ばれているが,とりあえず,施設・設備面の話題に限定し,カーネギー・メロン大学を例として取り上げ,紹介してみたいと思う.