コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
プログラム変換による自然言語の意味解釈
赤間 清野村 祐士宮本 衛市
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 12 巻 5 号 p. 5_447-5_464

詳細
抄録

文の意味は,それが発話された状況や,話題の領域の背景知識などを柔軟に用いて適切に解釈する必要がある.しかし,多様な状況を適切に分類して,正しいアルゴリズムを書き下すことは多くの場合非常にコストがかかる.また,文の意味を解釈する場合に,あらかじめ定めた計算順序にしたがって処理を進めると,無駄な計算をたくさん行なうことになり高速な処理が期待できない.これらの問題を解決するために本論文では,いろいろな場合にわけてアルゴリズムを書くことを避け,対象領域の基本的な知識や状況を宣言的なプログラムとしてモジュール性高く記述し,正当性の証明された変換ルール群を用いてプログラム変換によって意味解釈を行なう方法を提案する.この方法は,計算の正当性,対象とルールの表現力,計算順序の柔軟性などの点で著しい特長を備えており,自然言語の意味解釈を正当性を保証しながら効率的に実現するために有用であると考えられる.

著者関連情報
© 1995, 日本ソフトウェア科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top