コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
ソフトウェアプロセス適応のための形式的モデル
鈴木 正人片山 卓也
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1996 年 13 巻 5 号 p. 5_362-5_370

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抄録

ソフトウェアプロセスの獲得には非常に多くのコストを必要とするため,その適応(adaptation)は重要な問題である.ソフトウェアプロセスを実際の開発作業に適応させようとした場合,プロジェクトの規模,信頼性,期間などさまざまな外部条件に応じて実際の作業順序や繰り返しなどを記述し,それらを最適化できるようなモデルが必要となる. 本稿ではオブジェクトの静的な関係のみに着目したモデル(オブジェクト中心型モデル,OCP)から,オブジェクトを段階的に作成していく過程(フェーズ)を記述したモデル(フェーズ中心型モデル,PCP)および資源の使用などを記述した実行モデルを得る方法を形式的に定義し,このモデルを使用したソフトウェアプロセス適応方法について議論する.詳細度と資源が異なる場合を例としてオブジェクト中心型モデル,フェーズ中心型モデルを実際のプロジェクトに適応する際のプロジェクト依存の要素と不変要素について言及する.

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© 1996, 日本ソフトウェア科学会
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