並行プロセスを解析する数学的道具としてプロセス代数が知られており,すでに目的に応じた多種のプロセス代数が提案されている.しかし,並行プロセス数の増加と共に観測可能なアクションの列が急激に増加するため,大規模システムの仕様記述は複雑になる問題がある. 我々は,アクションに重要度と発生位置の情報を付加して,遠くの重要でないアクションを無視した近似解析が可能なプロセス代数CCSGを提案する.CCSGには2つの等価性が定義されており,1つは観測者の位置を移動するためのシフト(s)等価,もう1つは遠方の重要でないアクションを無視するためのレベル(γ)等価である.これら2つの等価性により,全体的な仕様と任意の位置における局所的な仕様とを関係付けることが可能である.