コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
項書換えを用いた安全性検証の組織化
清野 貴博緒方 和博二木 厚吉
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2003 年 20 巻 5 号 p. 444-457

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抄録

振舞遷移機械とその記述言語としての代数仕様言語CafeOBJは,分散システムを適切に記述し,それが安全性を持つかどうか検証する能力を持つ.この検証には帰納法を用いるが,その際の主要な作業の1つは場合分けである.本稿では,場合分けの各場合を項の組み合わせで表現する手法と,帰納段階の場合分けをマトリクス状に組織化する手法を提案する.各場合を項の組み合わせで表現することは,場合分けをCafeOBJ処理系による簡約によって制御できるようにし,処理系からより多くの検証支援を検証者にもたらす.本手法の有効性は,実際に使われている鉄道信号システムの安全性検証を対象として適用実験を行い,適切に応用できることを確かめた.

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© 日本ソフトウェア科学会 2003
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