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Print ISSN : 0289-6540
シミュレーションによる最適化手法を用いた大規模ジョブショップ型工場における搬送効率の改善
吉田 琢史林 久志西成 活裕
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2014 年 31 巻 3 号 p. 3_130-3_140

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抄録
我々は大規模ジョブショップ型工場における搬送効率改善のため,シミュレーションと数理計画法を統合した手法を実装したシステムを開発した.上述の工場では,自動制御された搬送車がショップ間をネットワークでつなぎ,数多くの半製品を運搬している.この搬送車が渋滞すると生産効率を悪化させるリスクがあるため,搬送車の流れを効率的にする必要がある.自動搬送ネットワークのような複雑系を模擬しその搬送効率を最適化するのに適した手法として,我々の開発したシステムでは,マルチエージェントシミュレータであるNETLOGOと,最適化アルゴリズムであるαPSOを採用している.我々は本手法の有用性を示すため2つのフィージビリティスタディを行った.1つ目は搬送車の設計変数である車間距離-目標速度設定を最適化する事例で,我々の手法では搬送量が約22.1%向上する結果が得られた.2つ目は搬送路の交差点の設計変数である青信号時間を最適化する事例で,我々の手法では搬送時間が約12.8%短縮する結果が得られた.
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© 2014 日本ソフトウェア科学会
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