気体の泡を用いて液体中にデジタル情報表示を行う泡ディスプレイの手法が研究され,一部では実用化もされている.従来装置では表示のための気体を外部から供給する方式が一般的であり,可動部分が必要である.この方式では機構が大掛かりになり,高画素な表示を安価に実現することが困難である.そこで我々は,電気分解により発生する気体を画素として利用し,液体表面で情報表示を行う手法を提案する.また,飲料表面に10×10画素のドットマトリックスパターンを生成可能なカップ型デバイス“BubBowl”を実装したので報告する.本方式は可動部分の無い電極だけで構成可能であり,既存のプリント基板技術や電子部品実装技術を利用することで,高密度で高解像度な泡ディスプレイを安価に実現できる可能性がある.また,提案デバイスは小型化・電池駆動が可能であるためコーヒーカップのような日用品に埋め込むことができ,コーヒーの液面に泡で情報表示するなど,日常生活に近い場面での使用が期待できる.