2021 年 38 巻 2 号 p. 2_14-2_19
近年,電源が喪失してもデータを保持することが可能な主記憶装置である不揮発性メモリが市場に登場した.この不揮発性メモリをJavaなどのマネージド言語で自然に利用できるようにするために,オブジェクトが自動的に永続化される仕組を持つ永続化ヒープが開発されている.本研究では,予想されるオブジェクト永続化のためのオーバヘッドを調査した.そのために,OpenJDKに不揮発性メモリへのアクセスを伴う処理を実装した.実験の結果,全てのオブジェクトを永続化した場合,最大で510% のオーバヘッドが観測された.