2022 年 39 巻 2 号 p. 2_19-2_28
修学に問題のある学生を早期に予測することは,教育分野の課題の1つである.修学に問題のある学生に適切な支援策を講じるために,学習関連データから学生の成績を正しく予測することが重要である.本研究では,本学で開講されているプログラミング演習を対象に,講義内で実施される理解度確認テストの達成度の推移に関する近似モデルを提案する.具体的には,エージェント集合モデル(Agent Based Model: ABM)を用いて,近似モデルを構築する.なお,本研究で用いるABMは,標準的なマルチエージェントシミュレーションが持つエージェント間の相互作用を考慮せず,簡単化している.そして,ABMによるシミュレーション結果と正解データの平均正答率と分散を比較し,提案モデルの妥当性の検証と近似精度を評価する.その結果,提案モデルの決定係数は0.893であり,高い近似精度を得ることができた.