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Print ISSN : 0289-6540
プロセス代数モデルに基づく並行オブジェクト指向言語の意味定義
戸村 哲石川 裕二木 厚吉
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1990 年 7 巻 2 号 p. 2_112-2_129

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抄録

並行オブジェクト指向言語のプログラムをプロセス代数モデルの挙動式に変換する方法を示す.この変換によって並行オブジェクト指向言語の意味がプロセス代数モデルに基づいて定義される.本論文の構成は次の通りである. 第一に,並行オブジェクト指向言語Monoを導入する.Monoは並行オブジェクト指向言語が持つ特徴のうちの次のものをモデル化した言語である. 1.オブジェクトは状態を持つ.オブジェクトの個体変数の値が状態を表す. 2.オブジェクトのメソッド定義に従ってメッセージを解釈する. 3.委譲機能を持つ.すなわちオブジェクトがメッセージを解釈できないときは,メッセージを委譲オブジェクトに転送する. 4.メッセージ通信方法は,同期メッセージ送信,非同期メッセージ送信,同期メッセージ交信,非同期メッセージ交信の4種類がある. 第二に,プロセス代数モデルECCSを導入する.ECCSはCCS (Calculi for Communicating System)を拡張した並行実行モデルである.ECCSでは事象名が引数を持ち,動的にプロセス通信の相手を特定することができる. 第三に,MonoのプログラムをECCSの挙動式に変換する方法を示す.Monoのプログラムを実行している間に起こるメッセージ通信に関する出来事をECCSの挙動式で記述することで変換を行う.この変換規則がMonoの意味を与える.

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© 1990, 日本ソフトウェア科学会
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