社会福祉学
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成年後見制度における市町村長申立ての現状と課題 : 大阪府下に焦点をあてて
松下 啓子
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2012 年 53 巻 1 号 p. 54-66

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抄録
2000年に新しい成年後見制度が施行された.身寄りのない判断能力が不十分な人々であっても制度を利用できるよう市町村長に申立権が付与された.市町村長申立ては年々増加しているものの全体として申立件数は少ない.本研究は現時点の市町村長申立ての運用実態を調査することにより,市町村長申立てが進まない理由を明らかにすることを目的とする.研究方法は大阪府下8市の市町村長申立ての担当者に半構造化インタビュー行い,KJ法を参考に分析を行った.その結果,市町村長申立ては6つのプロセスに分けられ,10の阻害要因と5つの促進要因を見いだすことができた.6つの市町村長申立てプロセスのなかで最初の要援助者の発見と最後の後見人受任後の状況把握の2つが重要な役割を果たしていることが分かった.また,行政は法律に基づいて動くが,成年後見制度は多岐にわたる法律から構成されているため,根拠がみえにくく動きづらい実態が明らかとなった.
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© 2012 一般社団法人 日本社会福祉学会
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