社会福祉学
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大阪市を事例とした配食サービス事業の現状と今後 : 日常生活支援総合事業に向けて
松井 順子
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2012 年 53 巻 1 号 p. 41-53

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抄録

本稿は大阪市の配食サービス事業委託事業者を対象に調査を行い現状と課題を分析し,委託事業のあり様と今後を問うことが目的である.研究方法は,量的データは委託料が減額される事業規定を中心に,Welch検定とクロス集計を行い,質的データは事業者の立場からみた内部環境と外部環境という枠組みでとらえるSWOT分析を援用している.結果は,事業者は日々の業務に追われ経営状況をはじめとし,課題の多さが目立つ.行政サイドはコーディネート不足が明らかで,委託料減額の基準も不明瞭である.そこで,各事業者は市の依頼で受託している例が多い現状と,委託事業の意義と社会的責務を再確認する意味でも,配食サービス事業のビジョンを設定し,その実現に向け戦略を立てマネジメントしながら事業を運営すれば,日常生活支援総合事業に向けた事業のあり様も改善が期待できるのではないかと提言している.

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© 2012 一般社団法人 日本社会福祉学会
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