抄録
ソーシャルワークは人と環境を全体として統一的にとらえようとするところに特徴があるが,この人と環境の全体を焦点としてとらえることは今日においても研究課題であるとされる.本論文ではソーシャルワークの焦点について,人,環境,関係,状況との関連から考察した.今回の研究では3人のソーシャルワーカーにインタビューを行った.内容分析で分析した結果,鍵概念として「経験による実践の意味づけ」と「関係性を重視した相談対応」を見いだした.また,関心,視点・対象認識,人に関する表現が多かったことから,ソーシャルワークの焦点に関する研究ではこれらの概念が重要であることがうかがえた.さらに,ソーシャルワークの焦点は状況を通して検討できるとの示唆を得た.本研究は質的研究であることから今回の所見を一般化することはできないものの,ソーシャルワークの焦点のさらなる理解へとつながることが期待されるものであると考える.