抄録
本研究では,介護保険サービスの利用者や家族に対する調査結果に基づき,利用者側の介護サービスへのアクセス時における問題について考察することを目的とした.研究方法は,利用者側の背景要因を「属性・ニーズ要因」「意識・態度要因」「相談行動要因」に分け,各背景要因群間の特徴を明らかにし,これらの要因と利用者側が介護サービスへのアクセスのなかで経験した困難との関係について分析を行った.分析の結果,背景要因によって,介護サービス利用のきっかけに影響する「第三者」の存在が明らかとなった.「情報収集における困難」には,利用経験者との相談有無との関係がみられ,「ケアプラン作成時の困難」には入院有無との関係が,「事業所選択時の困難」には入院有無と家族のサービス利用に対する抵抗感有無との関係がみられた.介護サービス利用のきっかけとアクセス時の困難に影響する背景要因を踏まえたアクセス支援の課題が明らかになった.