2016 年 57 巻 1 号 p. 42-57
本研究の目的は,介護支援専門員が要援護高齢者の支援時に,家族と協働し,家族から支援の協力を得るにあたって,どのようなプロセスを経ていくことが必要となるのか,またその各プロセスにおいてどのような関わりが求められるのかを明らかにすることである.本研究では,9名の介護支援専門員を対象に,面接調査を実施した.分析方法は,定性的(質的)コーディングを用いた.
分析の結果,介護支援専門員が家族から支援の協力を得る際には,①アセスメントの際の情報把握,②ケアプランの作成,③モニタリング,また,④ケアカンファレンスといったそれぞれのケアマネジメント実践過程において,家族への関わりについて配慮を行っていることが明らかになった.また,家族からの支援の協力を得るにあたっては,ケアマネジメント実践の各過程での関わりに加え,家族への支援および家族との信頼関係の形成も重要な取り組みであることが示唆された.