2016 年 57 巻 3 号 p. 78-90
家庭養護の重要性が強調され,里親等委託率33%の達成も目指されているなか,2014年度の全国平均は16.5%にとどまっている.一方,静岡市は里親等委託率39.2%を達成しているだけでなく,里親の養育不調による委託解除も少ないなど,その実践内容,とりわけ里親家庭への支援を中心的に担う支援センターの活動が注目されている.そこで,静岡市における里親家庭への支援内容を詳細に把握し,里親委託率向上や養育不調予防に資する要素を抽出することを目的に,市児相と支援センターに対し資料収集とインタビュー調査を実施して得られたデータを質的に分析した.その結果,静岡市の里親家庭への支援枠組みは静岡市独自の地域状況から形作られたことが把握された.そして,市児相と支援センターの協力関係を基盤に展開される多様なソーシャルワーク支援と里親リクルートおよびマッチングが,里親等委託率向上と養育不調予防に資する要素になっていると考えられた.