2022 年 63 巻 2 号 p. 56-69
本研究では,地域住民との連携・協働により社会資源を開発したソーシャルワーカーのプロフェッショナルコンピテンスを明らかにすることを目的として,この分野において実践経験を有する地域包括支援センターの社会福祉士にインタビュー調査を行った.質的データ分析法による分析の結果,実践過程にそって,20のコンピテンシーコード,8のカテゴリーが生成された.ソーシャルワーカーは,支援の限界を覚知しながらも課題の解決から目をそらさず,柔軟な視点で開発するべき社会資源を捉え,戦略を立て,実行,修正,評価していた.また,対話と情報共有により前向きな判断が下される場を醸成し,開発のための機動力あるベースキャンプをつくっていた.実践の過程を通じ,場面に応じて専門職としての態度を脱いで人としてかかわり,多様な主体とつながる一方,専門職としての実践力を発揮する『「専門職としての自己」の着脱』を繰り返していることがわかった.