本研究は,貧困を課題とする地域における学生セツルメントの子ども会活動の実践について,その特徴と果たした役割について明らかにすることを目的とする.対象期間は,学生セツルメントの活動や運動が活発に展開される1956年から1973年とし,実践記録を中心に史資料の検討を行った.その結果,学生セツルメントの子ども会活動の実践の特徴として,①現代でいうアウトリーチの手法がとられていたこと,②子どもの置かれた「阻害状況」を捉え「要求」に応じた実践が展開されたこと,③個別実践を通して地域や社会状況を把握する視点があったこと,④エンパワメントの役割を含む運動性を有していたこと,⑤「教育と福祉の谷間」にある地域や子どもたちに関わり,補完的役割を担いながらその主体性や自治を育んでいったこと,が明らかとなった.