本稿で対象とする保護受託者制度は,保護を要する年長児童のアフターケアを目的として,1951(昭和26)年「児童福祉法」に定められた.保護受託者は「職親」と呼ばれ,委託児童と同居したり養護施設や里親から通わせて,独立自活に必要な職業指導を行った.制定直後に保護受託者登録数は2,500人を超えたものの,その後10年で制度の利用は減少し,2004(平成16)年に廃止された.本稿では保護受託者のアフターケア実践に着目し,保護受託者が要保護児童の独立自活に対して果たした役割と課題を明らかにすることを目的とした.委託児童に直接指導し,多くは同居したことが保護受託者の特徴であり,委託児童の個性や特質を把握し,安定的な就労へと導いた.一方で,これらの特徴ゆえに保護受託者は中小規模事業所の経営者などに限られ,委託児童のニーズや労働環境の変化に対応できなかった.また保護受託者の経済的負担の大きさも課題であった.
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