社会福祉学
Online ISSN : 2424-2608
Print ISSN : 0911-0232
63 巻, 3 号
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論文
  • 厨子 健一, 岩山 絵理, 山口 創生
    2022 年63 巻3 号 p. 1-13
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル フリー

    本研究は,SSWerの配置と関連する教育現場における変化を,文献レビューから明らかにすることを目的とする.CiNiiで,「スクールソーシャルワーク」「スクールソーシャルワーカー」「学校ソーシャルワーク」「学校ソーシャルワーカー」をキーワードに検索を行った.827件のうち,選定基準を満たした19件を対象とした.質的研究12件,量的研究7件であった.質的研究は,教師・学校,子ども,家庭,地域の四つの変化に分類された.量的研究において,変化および,その関連要因が抽出された.変化は,子どもの課題,教師の業務量にかかわるものであった.関連要因は,SSWer活用のあり方,福祉関係の資格の有無,SSWerの専門性が報告されていた.実践的示唆として,SSWerによる学校組織へのアプローチの重要性が挙げられた.実践の際,学校体制へのはたらきかけやそれにたいする貢献を意識することが望まれることが示唆された.

  • 田中 友佳子
    2022 年63 巻3 号 p. 14-27
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル フリー

    本稿で対象とする保護受託者制度は,保護を要する年長児童のアフターケアを目的として,1951(昭和26)年「児童福祉法」に定められた.保護受託者は「職親」と呼ばれ,委託児童と同居したり養護施設や里親から通わせて,独立自活に必要な職業指導を行った.制定直後に保護受託者登録数は2,500人を超えたものの,その後10年で制度の利用は減少し,2004(平成16)年に廃止された.本稿では保護受託者のアフターケア実践に着目し,保護受託者が要保護児童の独立自活に対して果たした役割と課題を明らかにすることを目的とした.委託児童に直接指導し,多くは同居したことが保護受託者の特徴であり,委託児童の個性や特質を把握し,安定的な就労へと導いた.一方で,これらの特徴ゆえに保護受託者は中小規模事業所の経営者などに限られ,委託児童のニーズや労働環境の変化に対応できなかった.また保護受託者の経済的負担の大きさも課題であった.

  • 伊達 平和, 堀 兼大朗, 野村 裕美, 稗田 里香
    2022 年63 巻3 号 p. 28-40
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル フリー

    依存症の回復支援について,ソーシャルワーカーの関わりの積極性は十分ではない.この積極性の規定要因の計量的な分析は乏しく,積極性を高めるためのエビデンスが不足している.よって本稿では,医療ソーシャルワーカーの依存症に対する関わりの積極性の規定要因について,主に自己責任意識に着目して分析を行った.分析には公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会会員を対象にした調査データ(n=1,158)を用いた.分析の結果,1)依存症を自己責任だと考えない人は積極性が高い,2)依存症の研修を受けた人は積極性が高い,3)当事者との接触経験がある人は積極性が高い,4)ソーシャルワーカーの人数が多い職場で働く人は積極性が高いことが示された.この結果は自己責任論を乗り越えていくこと,研修の機会と当事者との接触経験を増やすこと,職場のソーシャルワーカーを増やすことが関わりの積極性に寄与する可能性を示唆している.

  • 中谷 奈津子, 木曽 陽子, 吉田 直哉, 鶴 宏史, 関川 芳孝
    2022 年63 巻3 号 p. 41-54
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル フリー

    本論の目的は,保育所等における子ども家庭支援に関する情報共有を支える組織的要因について明らかにすることである.生活困難家庭への支援を積極的に行う保育所等へのインタビュー調査をもとに,質的データ分析法を参考に分析を行った.その結果,六つの上位カテゴリーと18のサブカテゴリーが抽出された.子ども家庭支援に関する情報共有は,【園長の積極的関与】により【情報伝達の体制整備】が図られることによって行われていたが,同時にそれは【子ども家庭支援に関する保育所等の方針の浸透】や【建設的な組織風土の構築】と相互に影響し合い,やがて【組織全体で取り組む体制構築】へと発展することで,子ども家庭支援に関する情報共有を支えていることがわかった.また【保育者の力量形成】は,情報共有を支える要因というよりも,【組織全体で取り組む体制構築】や【園長の積極的関与】などによって育まれていくものであることが示唆された.

  • 岡本 周佳
    2022 年63 巻3 号 p. 55-70
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル フリー

    本研究は,貧困を課題とする地域における学生セツルメントの子ども会活動の実践について,その特徴と果たした役割について明らかにすることを目的とする.対象期間は,学生セツルメントの活動や運動が活発に展開される1956年から1973年とし,実践記録を中心に史資料の検討を行った.その結果,学生セツルメントの子ども会活動の実践の特徴として,①現代でいうアウトリーチの手法がとられていたこと,②子どもの置かれた「阻害状況」を捉え「要求」に応じた実践が展開されたこと,③個別実践を通して地域や社会状況を把握する視点があったこと,④エンパワメントの役割を含む運動性を有していたこと,⑤「教育と福祉の谷間」にある地域や子どもたちに関わり,補完的役割を担いながらその主体性や自治を育んでいったこと,が明らかとなった.

2021年度学界回顧と展望
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