本論の目的は,保育所等における子ども家庭支援に関する情報共有を支える組織的要因について明らかにすることである.生活困難家庭への支援を積極的に行う保育所等へのインタビュー調査をもとに,質的データ分析法を参考に分析を行った.その結果,六つの上位カテゴリーと18のサブカテゴリーが抽出された.子ども家庭支援に関する情報共有は,【園長の積極的関与】により【情報伝達の体制整備】が図られることによって行われていたが,同時にそれは【子ども家庭支援に関する保育所等の方針の浸透】や【建設的な組織風土の構築】と相互に影響し合い,やがて【組織全体で取り組む体制構築】へと発展することで,子ども家庭支援に関する情報共有を支えていることがわかった.また【保育者の力量形成】は,情報共有を支える要因というよりも,【組織全体で取り組む体制構築】や【園長の積極的関与】などによって育まれていくものであることが示唆された.