2023 年 63 巻 4 号 p. 38-49
本研究は,民間企業に勤務するキャリア初期の精神障がい者の組織適応タイプの特徴を明らかにすることを目的とした.民間企業の精神障がい者のうち勤続年数3年以下の者245名を対象に,インターネット調査を行った.分析の結果,精神障がい者の組織適応タイプは,職業的社会化と文化的社会化は高いが,情緒的コミットメントは平均程度であり,離職意思が高いというステップアップ型が最も多く,次いで,職業的社会化,文化的社会化,情緒的コミットメントが高く,離職意思が低いという理想的な適応型が多く,不適応型が最も少ないことが明らかになった.ステップアップ型は,他組織への退出を思いとどまるような定着支援策が重要であり,不適応型は,本人に向いている部署への配置転換を行ったり,職務内容を変更したりすることで仕事意欲や仕事のやりがいを高めることが有益であると示唆された.