2023 年 63 巻 4 号 p. 50-61
MSW記録の標準化などの必要性が指摘されているが,MSWに相応しい経過記録法などは示されていない.そこで,経過記録法の統一状況および使用する経過記録法とMSW実践の関係性に着目し,MSW記録の現状と課題を明らかにすることを目的に全国調査を実施した.目的変数を「経過記録の統一状況」,「使用する経過記録法」,説明変数を「面接時と記録時の意識」,「経過記録の学習状況」などに設定し決定木分析した結果,経過記録法の統一が面接時と記録時の「ケアと利用者との相互関係」の意識を高めることに影響を与えていた.また,面接時や記録時の意識,組織環境によって経過記録法が左右される実態があり,SOAPや叙述形式ではMSWの実践が十分に明記できないことが明らかになった.さらに,記録教育の重要性が浮き彫りになった.各経過記録法の課題や特性を踏まえ記録教育を実施し,そのうえで各経過記録法を使用する必要がある.