社会福祉学
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論文
地方における成年後見制度利用の阻害要因――中山間地域の社会福祉関係機関職員へのインタビュー調査――
日田 剛
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2024 年 64 巻 4 号 p. 42-55

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抄録

本研究の目的は,成年後見制度の利用を阻害する要因を,地方中山間地域の特性と成年後見制度に関連のある社会資源までを射程範囲に含めて明らかにすることである.成年後見制度の申立て動機には「介護保険契約」の割合が比較的多い傾向が確認されており,介護保険サービスなどの社会資源の整備状況が,成年後見制度の利用になんらかの影響を及ぼすと考えられる.よって,特に地方において顕著に見られる社会資源の脆弱性が,利用の阻害要因になっているとの仮説を立てた.成年後見制度に関わる社会福祉関係機関の職員へインタビュー調査を行い,得られたデータを越智(2011:65)の作成した「福祉アクセシビリティ」の分析枠組みをもとに分析した.その結果,介護保険サービスなどへの福祉アクセシビリティの脆弱性は成年後見制度に繋ぐことを困難にしており,また,持ち家や山,田畑などの不動産管理を担う専門職の不足も阻害要因として示された.

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© 2024 一般社団法人 日本社会福祉学会
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