社会福祉学
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調査報告
韓国における知的障害者の主体性を重視した性教育実践――韓国の知的障害者福祉施設および青少年性文化センターでのインタビュー調査に基づく考察――
門下 祐子 羽山 慎亮
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2024 年 64 巻 4 号 p. 70-83

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抄録

本研究の目的は,今後日本で知的障害者の「性」の学びを保障するためのあり方やシステムについて,日韓の現状や課題の異同をふまえたうえで考察・提起を行うことである.そこで,韓国の①キップンウリ福祉館での知的障害者にわかりやすい冊子作成の経緯等,②中浪青少年性文化センターでの知的障害児・者への性教育の目的や内容について,視察およびインタビュー調査を行った.その結果,①問題となる性的行動を単に禁止するのではなく,性教育を生涯教育の一環として捉えるなかで冊子の作成に至ったこと,②知的障害児・者自身が「性の権利」を認識し,主体的に自己を表現しつつ安全な暮らしを営むために性教育を行っていることがわかった.日本政府は人権とジェンダー平等を基盤とする包括的性教育に消極的な姿勢を示すなか,韓国では法的根拠に基づき,女性家族部が性教育の専門機関を各地域に設置するなどして性教育の実践を支えていた.

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© 2024 一般社団法人 日本社会福祉学会
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