2025 年 65 巻 4 号 p. 83-96
感情は睡眠の質(Quality of Sleep:QOS)に影響する.本研究では重度認知症高齢者の表情とQOSに着目し,表情解析による感情価とQOSとの関連を検証した.認知症のある介護施設入居者49人の感情価を測定し,主な評価軸のEnergy・ValenceとQOSを構成する睡眠効率・睡眠時間・中途覚醒との関連を調査し,Well-being・StressとQOSとの関連を調べた.QOSはシート型体振動計(眠りSCAN)を活用し,感情価はSOLO社の感情指数を用いた.重度認知症高齢者のEnergy・Valenceは睡眠効率・睡眠時間に正の関連が認められ,中途覚醒に負の関連が示された.Well-beingは睡眠効率に正の関連が認められ,中途覚醒に負の関連が示された.重度認知症高齢者のSOLO感情指数はQOS評価に有用であり,睡眠効率・中途覚醒はWell-beingの検討に活用できることを示唆した.