2010 年 1 巻 3 号 p. 133-137
日本には足を臓器として専門に扱う診療科,医師は存在しないため,その治療を進めるためには,その専門の医師でなくても治療の流れを理解でき,診療を進めるための指針が必要である。われわれは,地域の足病変患者の下肢救済と治癒を戦略的に進めるための地域連携を行っている。佐賀大学医学部附属病院および関連病院を受診した糖尿病足病変患者は,共通の治療アルゴリズムを使って治療が進んでいる。2006年1月から2008年12月まで過去3年間に治療を行った糖尿病足病変患者221人を対象に検討を行った。全症例における治癒・改善率は61%であり,血管治療を施行した症例内での治癒率は89%であった。糖尿病足病変に対し,共通の治療アルゴリズムを使うことで,治療の標準化が進められた。