創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
原著
非焼成ハイドロキシアパタイト(u-HA)+ ポリ-L-乳酸(PLLA)プレートを用いた眼窩底骨折整復術後の眼窩底骨片と骨折面積の検討
井上 真一松本 紘子貝田 亘岡本 仁片岡 和哉
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2024 年 15 巻 3 号 p. 67-75

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抄録

 目的:吸収性プレートによる眼窩底骨折治療後に,眼窩底骨片と眼窩底骨片上に留置した吸収性プレート間の距離 (FPD) が経時的に短縮することなどをわれわれは報告した。しかし,眼窩底骨折面積がこれに与える影響についての報告はなく,非焼成ハイドロキシアパタイト(u-HA)+ポリ-L-乳酸(PLLA)プレートを用いた眼窩底骨折症例を用いこれらを検討した。対象,方法: 2009 年 4 月から 2017 年 3 月までに当施設で u-HA + PLLA プレートを用い眼窩底骨折整復手術を行った 23 例を骨折面積 ≧ 3 cm2 と < 3 cm2,最終 FPD ≦ 2 mm と > 2 mm の 2 群間で比較し,長期観察可能であった症例を個別に検討した。結果:骨折面積 ≧ 3 cm2 群で初回測定FPD,FPD 短縮距離が大きく,最終 FPD > 2 mm 群で初回測定 FPD が大きかった。考察: FPD は骨折面積によらず短縮するが,骨折面積が大きい場合は十分短縮するまでにより時間を要す可能性が示唆された。

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© 一般社団法人 日本創傷外科学会
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