2023 年 15 巻 3 号 p. 341-344
症例の概要:54歳の女性.咀嚼困難と審美不良を主訴に来院した.酸蝕症による前歯部咬合接触の喪失および天然歯の変色を認めた.検査の結果,酸蝕症による咀嚼障害,テトラサイクリン歯による審美障害と診断した.プロビジョナルレストレーションによりアンテリアガイダンスの確立後,オールセラミッククラウンとポーセレンラミネートベニアによる補綴歯科治療を行った.
考察:犬歯誘導の咬合様式を付与したプロビジョナルレストレーションを装着しアンテリアガイダンスが確立され,最終補綴装置へ再現できたことで良好な結果が得られたと考える.
結論:咀嚼障害と,審美障害を呈した症例に対して,機能の回復と審美の改善が適切に行えた.