抄録
培養表皮細胞および線維芽細胞を含有する創傷被覆材を真空凍結乾燥させて室温保存を可能とし,そのサイトカイン放出能について検討した。
培養表皮細胞,線維芽細胞を市販の創傷被覆材上に播種した。(1)表皮細胞単独群 (2)線維芽細胞単独群 (3)表皮細胞,線維芽細胞混合群を作成して,それぞれ凍結保存群と真空凍結乾燥群に分けた。1週間経過後にDMEM培地単独で12時間インキュベートして,その上清中のbFGFとVEGFを定量評価した。
bFGFは線維芽細胞単独真空凍結乾燥群で大量に放出されたが,表皮細胞との混合群では少量であった。VEGFは線維芽細胞単独真空凍結乾燥群では細胞単独の凍結保存群よりも有意に多く放出したが,混合群ではさらに多量に放出された。
真空凍結乾燥することで多量のサイトカインが放出されることが示唆された。表皮細胞と線維芽細胞は共培養下で相互しあっていることが推測された。