生立木の樹幹に穿入しているカシノナガキクイムシに対して、市販のノズル型殺虫剤を施用した時の殺虫効果を確認した。試験を複数種のブナ科樹木へ穿入したカシノナガキクイムシの穿入孔で実施し、穿入後の時間経過が異なる孔も設けた。商品に付属のノズルを用いて穿入孔に殺虫剤を注入したのち、孔からのフラスの排出の有無を、注入4~6週後まで毎週1回観察した。その結果、樹種や穿入後の時間経過にかかわらず、各試験の調査最終週におけるフラス排出率は、殺虫剤注入孔では0~10 % と非常に低かったのに対し、無注入孔では25~89 % と高かった。このことから、本方法には樹幹内のカシノナガキクイムシへの高い殺虫効果があると考えられた。