創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
特集1:陥入爪治療のこだわり
われわれの行っている巻き爪治療
-双茎爪床骨膜弁法-
黒川 正人柳沢 曜川崎 雅人岩山 隆憲長谷川 弘毅
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2012 年 3 巻 4 号 p. 167-173

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抄録

われわれは巻き爪に対して, 全抜爪を行わず, 爪甲露出部のみの部分抜爪を行ったのちに手術を行っている。 両側の側爪郭に切開を加えて, 爪床骨膜弁は双茎皮弁として挙上する。 このときに, 中枢側に切開を延長して, 弯曲している部分の爪母は切除する。 次に, 骨ヤスリを用いて末節骨遠位部の骨棘を削り, 末節骨背側も平坦化する。 最後に, 側爪郭の皮膚を2~3mm の幅で脱上皮して, その上に双茎爪床骨膜皮弁を両側に開いて縫合する。 本法を9例22趾に対して施行し, 全例において形態は改善し, 症状も軽快した。
全抜爪を行わないために, 術後の爪甲変形は少なく, 爪甲が元の長さまで戻る期間も短かった。 また, 爪床骨膜弁は双茎皮弁として挙上するので, 血行は良好で, 創傷治癒にも有効であった。

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© 2012 一般社団法人 日本創傷外科学会
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