創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
特集2 難治性潰瘍の集学的治療とその中でのマゴット療法の役割
マゴットセラピーの周術期副作用対策と予後改善を目指した適応判断
高木 元古山 景子大貫 朋子桐木‐市川 園子高瀬 仁志宮本 正章
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2013 年 4 巻 3 号 p. 156-162

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抄録
 マゴットセラピー(maggot debridement therapy:MDT)は医療用無菌ウジを使用した感染性創傷に対する生物学的デブリードマン治療であるが,臨床応用する際に気を付けるべき問題点や,安全な適応病変,そして治療中の副作用への対応等,初めて治療を行う場合や難治性の場合の考え方など,知っておくべきことや注意点などを紹介する。まずわれわれは,当院で治療に携わる看護師と治療を受けた患者にアンケートを行い,問題点抽出を行った。また臨床治療成績は,2008年1月~2011年12月の期間にマゴットセラピーを施行した78症例の疾患分類,臨床病態,下肢予後と生命予後に関する危険因子を解析し,Cox回帰分析とロジスティック回帰分析にて独立危険因子を推定した。マゴットセラピーは問題点と危険因子を十分に管理した集学的治療の一環として行うことにより,安全かつ苦痛を伴わず施行でき,下肢生存率,生存率ともに93%以上の成績を得られる治療法である。
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© 2013 一般社団法人 日本創傷外科学会
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