創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
特集3 陰圧閉鎖療法の適応の拡大
創内持続陰圧洗浄療法と局所陰圧閉鎖療法との組み合わせ治療の有用性について
井野 康守永 圭吾高橋 長弘力丸 英明清川 兼輔
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2013 年 4 巻 3 号 p. 163-169

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抄録
 局所陰圧閉鎖療法(V.A.C.® 療法)は創傷治癒を促進するうえで非常に有効な方法であるが,①感染創に使用できない,②保険診療上4週間以内の使用しか認められていないなどの問題点がある。一方われわれは,2004年に局所陰圧閉鎖療法と持続洗浄を同時に行う方法,いわゆる創内持続陰圧洗浄療法を開発した。骨膜炎や骨髄炎に対しては,有効な治療法として局所灌流法(J0402)が以前より保険の適応となっており,持続洗浄を行う本法ではこの項目による保険請求が可能である。
 今回,われわれの開発した創内持続陰圧洗浄療法と従来のV.A.C.®療法の2つの治療法を,感染を伴う慢性潰瘍4例に対し組み合わせて使用することで,①②の問題点を同時に解決することができた。さらにこの組み合わせ治療法は,保険請求や長期入院などの病院の収益上の問題解決にとっても非常に有用な方法である。
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© 2013 一般社団法人 日本創傷外科学会
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