抄録
皮下乳腺全摘後の乳房再建を広背筋皮弁で行う場合,再建乳房のボリューム不足を経験することがあるが,これは,再建ボリュームの過不足の判断が術者の裁量に委ねられてきたことによる。そこでわれわれは,乳癌切除量と広背筋皮弁採取量を術前に予測し,両者を照合することによって客観的に再建ボリュームの過不足を判断している。それぞれの予測式として,乳癌切除体積(ml)= 0.229 ×[切除範囲面積(cm2)× 患側乳房 projection(cm)]+ 51.351,広背筋皮弁重量(g)= 13.50 × body mass index(kg/m2)+ 1.67 × 皮島面積(cm2)-163.26 という回帰式が得られた。広背筋皮弁重量 / 乳癌切除体積の値が1.8 ~ 2.0であれば,乳房の再建ボリュームは最適であろうと考えられた。以上により,皮下乳腺全摘後の広背筋皮弁再建における再建ボリュームの過不足を客観的に予測判断することができる。