創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
原著
局所陰圧閉鎖療法使用時の工夫
ソフトシリコン粘着剤付き創傷被覆材の使用
榊原 俊介大澤 沙由理野村 正橋川 和信寺師 浩人
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2015 年 6 巻 4 号 p. 125-131

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抄録
 局所陰圧閉鎖療法 (negative pressure wound therapy : 以下 NPWT) は有用な創傷治療への機器であるが,出血,感染など原因によりその継続が困難となる場合がある。ほかに交換時の疼痛や有毛部におけるエアリークなども治療の継続を妨げる要因となりえる。一方,近年,創傷被覆材の開発が進み,ソフトシリコン粘着剤が多用されるようになってきた。本粘着剤は剥離時の疼痛が少ない,ゲル状であるため微細な凹凸にも密着できる,といった特徴をもつ。われわれはソフトシリコン粘着剤付き創傷被覆材と NPWT とを組み合わせることで患者の疼痛の軽減および有毛部でのエアリークの改善を行えた。コスト面での課題は残るが,ソフトシリコン粘着剤付き創傷被覆材と NPWT との組み合わせは,NPWT の装着適応部位の拡大や交換時の疼痛の改善に寄与すると考えられる。
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© 2015 一般社団法人 日本創傷外科学会
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