日本薬物動態学会年会講演要旨集
第18回日本薬物動態学会年会
セッションID: 8D14-5
会議情報
シミュレーター機能を持った薬物間相互作用データベースの作成
*杉山 雄一加藤 基浩設楽 悦久吉末 訓弘平野 雅佐藤 均池田 敏彦
著者情報
キーワード: d-20, d-3, m-6
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
HAB研究機構薬物相互作用研究班により作成された薬物間相互作用データベース(DB)においては、臨床での阻害剤濃度として循環血中の最大非結合型濃度(Iu,max)および肝臓入り口での最大非結合濃度(Iu,in,max)の両濃度を用いた予測結果が示される。平成13年6月医薬審発「薬物相互作用の検討方法について(通知)」が出され、Iu,in,maxを用いる予測方法について記載されている。しかしながら、この予測法はfalse negativeな予測を回避することができる反面、false positiveな予測の出現を余儀なくされる。そこで、現在、私たちはHABの相互作用検討班プロジェクトの延長として、生理学的モデルに従って阻害剤濃度の経時変化を組み込んだ生理学的モデルを構築し、阻害剤併用時の薬物血中濃度を考慮し、相互作用の程度を定量的に評価することができるシミュレーター機能をこれまでのDBに賦与することを目的として、検討を進めている。In vivoでのシミュレーションの正確さを増すために、in vivoでの薬物間相互作用のデータを基にしたKi値(in vivoデータ基準のKi値)の算出を行う。このin vivo Ki値を基にして上述のシミュレーション機能を組み込んだDBを作成し、Web上で公開することにより、薬物間相互作用を定量的に予測できる支援システムになりうると考えている。現在、協賛企業28社の方々の援助を得、統一マニュアルを用いて検索された“臨床的な相互作用あり”と報告された組み合わせ、約300組のデータを基にKi値を算出している。当日は、その方法論の紹介、および今後の戦略を紹介する。
【参考文献】PRE-CLINICAL AND CLINICAL EVALUATION OF DRUG-DRUG INTERACTIONS  edited by A.P.Li and Y.Sugiyama 2002 VOLUME II in ADVANCES IN DRUG DEVELOPMENT. ISE Press, Inc., Baltimore, St.Louis
【謝辞】解析法、データ収集につき種々のアドバイス、を頂きました塚本友子博士(ノバルティスファーマ、臨床薬理部)に深謝します。
著者関連情報
© 2003 日本薬物動態学会
前の記事 次の記事
feedback
Top