移植
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腎移植患者におけるMMFの目標トラフ値の設定とAUC0-12予測式確立の試み
西田 隼人福原 宏樹縄野 貴明菅野 秀典八木 真由山岸 敦史櫻井 俊彦内藤 整山辺 拓也加藤 智幸土谷 順彦
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2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 369_3

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抄録

【目的】腎移植患者における外来での簡便なMMFのTDMを可能とするため、MMFの目標トラフ値の設定とAUC0-12予測式を確立することを試みた。【方法】2012年11月から2019年9月までに当科で腎移植を施行した66症例を対象とし、計262回AUC0-12の測定を行った。原則として移植と1週目、2週目、3ヶ月目、1年目に測定し、AUC0-12は計7回測定により計算した。MMF血中濃度はPETINIA法で測定した。【結果】C0とAUC0-12に良好な相関が得られた(P<0.0001、R=0.6736)。AUC0-12≧30となるC0は2.5μg/mlで感度76.9%、特異度92.3%であり、AUC0-12≧60となるC0は4.5μg/mlで感度42.1%、特異度93.1%であることから、C0を2.5~4.5μg/mlでモニタリングするのが妥当と考えた。次に重回帰モデルにてC0とC2によるAUC0-12の予測式をAUC0-12 =20.79+7.45×C0+2.35×C2と求めAUC0-12の実測値との相関をみたところ、R=0.7674 と良好な相関関係が認められた。【結論】MMFのC0を2.5~4.5μg/mlで目標とすることでAUC0-12の目標値が概ね得られ、2点採血によるAUC0-12 =20.79+7.45×C0+2.35×C2によりAUC0-12の予測が可能だった。

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